「みんなで大家さん」はヤバいのか!?業務停止命令からみる不動産投資の落とし穴とは!!
こんにちは、たまこんにゃくです。
不動産投資って憧れますよね。
私も不労所得を得たいと思ったときに最初に目を付けたのが不動産でした。
どれほど新NISAを推奨されようと株や投資信託って怖い印象がありますよね。
それに比べて不動産はモノがあるという安心感から抵抗は少ないという人も多いです。
マンションで賃貸契約をしたり、駐車場を借りたりと利用者側として触れ合う機会が多いからというのもあります。
ただ一つ難点があり、始めるまでの初期費用が高いことです。
早い話何千万何億とかかってくるわけです。
それをみんなで分け合って大家になれたら、お金がない人でも参入しやすいですよね?
でもそれを狙った投資詐欺案件は数多く存在しているのも事実です。
今回は大阪府が2024年6月17日付で業務停止命令を行った「みんなで大家さん」を取り上げてみたいと思います。
CMでも取り上げられていたのに?と思った方もいるでしょう。
ではなぜ業務停止になってしまったのか、そして不動産投資を行うにあたり気を付けるべきポイントも併せて紹介できればと思っています。
なお先に言っておきますが、当記事では詐欺案件と断定して紹介するわけではないことにご留意ください。
「みんなで大家さん」とは
「都市綜研インベストファンド株式会社」が運営する不動産投資商品となります。
また販売代理店は「みんなで大家さん販売株式会社」となっています。
特徴としては以下の通りとなります。
・1口100万円単位からの出資
・想定利回り6.0~7.0%
・申込手数料無料
・年6回の分配金
・約3年〜5年短期運用
・譲渡により換金可能
不動産投資というとJ-REITと比較する方もいるでしょうが、「みんなの大家さん」は証券市場に上場していないため日々の価格変動がありません。
ただJ-REITが数万円~と比較的少額で始められるのに対して、「みんなの大家さん」は1口100万からと少しハードルは高めとなっています。
そして大きく興味をそそられるところが、「過去一度も元本割れしたことがない」ことなのです。
ということはそのまま受け取ると、いわゆる勝ち確の投資商品ということになります。
投資商品でみて6.0~7.0%という利回りもJ-REITと比べても高い方ですし、株や債券をやっている人であれば年4%あれば優秀なのでそれを元本割れせずに行えているということであれば間違いなく投資すべき案件でしょう。
不動産投資ということで見た場合だと利回り10%以上の案件がゴロゴロあるため、高くないと思うでしょうが経年劣化の修繕費や借主とのトラブルなどもあり単純計算はできません。
その点「みんなで大家さん」では、営業者とお客様(事業参加者)との間で匿名組合契約を結び、営業者が展開をする事業に参加することで、賃貸利益から分配金を受け取る権利を取得できる仕組みとなり煩わしい管理は一切必要ありません。
さらに出資持分を現金化することを希望する場合は、買手を探す必要はなく営業者へ権利を譲渡することが可能なため売れないということがないというのもメリットになります。
大阪府が業務停止命令が出た経緯
健全な運営をしているように見えていましたが、冒頭でも述べたように6/18から30日間の業務停止命令を受けることとなりました。
1か月間新規での投資商品の販売ができなくなります。
理由としては成田空港近くの土地開発絡む「投資商品」で開発許可得ない土地を販売対象に含めたことが原因です。
そのため別に分配金を払っていなかったとか、犯罪まがいの営業をしていたというわけではありません。
私がよく取り上げてるネットワークビジネスの会社なんて業務停止は当たり前ですからね(笑)
まぁあの辺の詐欺まがいの連中と比べたら、全然健全ではあるといえるのです。
ただ2023年5月にこの成田の土地開発については事業プランを大幅に変えたにもかかわらず、出資者に対して説明をしていなかったことに関してはいただけません。
それによって資産価値が変わる可能性があり、場合によっては出資を考える人もいるでしょうから。
またこの成田の土地開発に関しては現状進んでおらず、それにもかかわらず分配金が支払われ続けているのです。
ここから出資者のお金がそのまま分配されているのではないか、という噂も出始めてきています。
そもそも都市開発に関しては成田市が関わっている可能性もあるのですが、現在までに公式な見解はでていない状況です。
今から投資を始めてはいけない3つの理由
私は以前からCMでやっていたからというのもあり、この会社のことは知っていました。
ただ投資しようとは思っていませんでした。
まぁ私自身騙されてきた過去があるということもありますが、色々な悪い噂があるということを抜きにしても怪しいと思える部分が多くあったこともまた事実です。
私自身不動産投資を副業としてやっていますが、同様の商品が他にあったとしても絶対に投資先として選びません。
まぁ業務停止命令をくらっているし、今なら誰もが危ないと思って投資しないと思いますけどね。
そのためあくまで健全運用をしているよと謡っているとしても選ばないという理由として紹介できればと思っています。
過去(2013年5月から60日間までの業務停止処分)に業務停止命令を受けている
「みんなで大家さん」はいわゆる現金小口化商品というスキームで販売されています。
これはみんなでお金を出し合って不動産を購入し、賃料を分配して配当として受け取れる仕組みです。
2017年に不動産特定共同事業法(不特法)が改正したことで、クラウドファンディング形式での資金集めが可能になってから爆発的に増えました。
本来まとまった資金が必要であるのにも関わらず、数万円から不動産投資が行えるということでこの機会に投資を始めようと思った人も多いはずです。
それを詐欺師が狙わないはずはありません。
クラウドファンディング形式でお金を集められる以上、集めるだけ集めて逃げることも可能なのです。
不動産投資で詐欺にあう人はサラリーマンや公務員である程度お金を自由に使える人、大体年収で言うと銀行から融資を受けられる500万円以上の方が多いです。
お金を持っている投資家は、わざわざ現金小口化商品を購入しません。
もちろん現金小口化商品自体が悪いと言っているわけではありません。
ただ見極めるポイントとしてその投資商品を売っている会社が信用できるかどうかなのです。
今では健全な企業でも不祥事を過去に行ったところは沢山あります。
過去の失敗があっても今支払いが滞りなく行われていたらよくないかと思うこともあるでしょう。
ただ詐欺だったから配当をださないというそんな簡単な話ではなく、信用させて莫大な資金を調達してから逃げるということも十分にありえます。
過去の不祥事というのは投資するリスクとして考えておくべきでしょう。
現在まで16年間元本評価割れなし
新NISAが始まり国が投資を推奨しているのにもかかわらず、利用率はせいぜい4~5人に1人程度です。
日本人って元々銀行預金でも利息で資産を増やせた時代があったからか、アメリカよりもリスクを取りたくないって人が多いのです。
じゃあそんな人が一番興味をそそられる投資商品って何だと思いますか?
それは元本保証をしている商品です。
言ってみれば定期預金と同じくリスクはないのにもかかわらずに資産が増えていく商品です。
まぁ投資をする以上必ずリスクはありますし、そもそも元本保証を謡うこと自体銀行預金以外禁止されています。
これさえ知っていれば詐欺商品なのかどうかがすぐわかります。
私が今まで見てきた詐欺商品は元本保証もしくは損した場合に全額補償すると言っている場合ほぼ100%詐欺です。
勘違いしてもらいたくないのは「みんなで大家さん」は元本保証をしているわけではありません。
投資によるリスクをしっかりと説明しています。
でも16年間一度も元本割れをしたことがないってことはありえるのでしょうか。
健全な運用をしていると言われてしまえばそれまでですが、利回り6.0~7.0%というのは不動産では珍しくない利回りであるものの投資商品としては高利回りにあたります。
そんな高利回りを維持し続ける投資があれば誰だってやりたいでしょうが、それがずっと続いたという話は聞いたことがありません。
なんで配当が維持できるかというと事業が架空の可能性が高いからです。
自己資本比率の低さ
自己資本比率というのは要するに借り入れに対して自身が持っている保有資産の割合です。
不動産会社は多額の資金が必要になるため、銀行からの借り入れも多くなります。
そのため一般の会社よりは自己資本比率が低くなるのですが、健全な企業の指標として20~30%は必要とされています。
では「みんなで大家さん」はどのくらいかというと、7%しかありません。
これがどういうことを表しているかというと、ほとんど他人のお金で回しているということです。
一度も元本割れをしたことないほどの優良な運営ができているなら、自己資本比率が高い方がよいに決まってます。
だって配当を支払う必要がないのですから。
本当に儲かる事業をわざわざ人に言わずに勝手に人知れず儲けられるのに、わざわざテレビCMまでして大々的にお金を集めているのはおかしいと気づかなければなりません。
自転車操業で配当を支払う必要があるから、何が何でも資金を調達しなければならない。
そう考えると納得がいくと思いませんか。
まとめ
何度も言っていますが、うまい話はネットで検索するといっぱい出てきます。
だけど本当にうまい話ってのは一般の人が知ることはできません。
ましてやCMやネット検索してすぐに見つかるような投資商品は、まず先に疑ってかかるべきでしょう。
不動産って本当はハードルが高いんです、お金も必要ですしね。
それを少額からできるってのは確かに魅力的ではあるのですが、詐欺の温床となっているというリスクは許容しておくべきです。
もちろん業務停止を受けただけで「みんなで大家さん」は詐欺と決めつけているわけではありません。
むしろ10年以上配当を支払い続けているし、返金にも応じてもらえるところから優良といってもいいくらいです。
私が過去に紹介されたオーナー制度なんで、契約2か月目から支払いが滞りましたからね(笑)
詳しくは以下記事も参照ください。
不動産投資をどうしてもしたいって人がいたら、どの物件・土地を購入したのかちゃんと自分の目で確認できるものをお勧めします。
クラウドファンディング形式って管理をしないから手間がかからない代わりに、ほんとに物件に出資金が使われているのかもわからないですからね。
お金がかかるから少額がいいというのであれば、J-REITから始めるべきと私は考えます。
最後までお読みいただきありがとうございました