ひきこもりは犯罪予備軍なのか!?メディアが伝える偏向報道による影響とは!?

こんにちは、たまこんにゃくです。

最近ひきこもりの問題がよく取り上げられるようになってきました。

特に話題になるのは中高年の世代のひきこもりです。
40代以上の世代がいることは以前から指摘されていましたが、対応する法律や制度がなかったため放置されてきたのが実態です。

内閣府が40歳~64歳を対象に調査した結果によると、推定で60万人を超えるという結果になりました。
社会から取り残されるだけでなく、中高年のひきこもりによる事件がメディアでも大きく取り上げられることが多くなりました。

それによって「ひきこもり=犯罪者予備軍」という風潮が世間に蔓延するようになってきました。
そうなってしまった原因として考えられるのはメディアの偏向報道であると私は考えています。

では実際のひきこもりの実態はどうなのか、そして世間のイメージがもたらす影響はどんな問題を引き起こすのかについて考えていきたいと思います。

 

ひきこもりの定義とは?

あなたは「ひきこもり」という言葉を聞いてどういうイメージを抱くでしょうか。

具体的な定義としては以下になります。

仕事や学校にゆかず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅に引きこもっている状態

世間のステレオタイプとしては、家から一歩も出ずアニメやゲームを好み、一日中PCに向かっている人というイメージではないでしょうか。

しかし実際に全く家から出ないというひきこもりはその内の5%にも満たないのです。
趣味や用事のためなら外にも出る人であっても、社会的に孤立している人はひきこもりの定義に含まれているということです。

 

明るみになった高齢ひきこもりの問題

今まではひきこもりの調査が15~39歳を対象として行われてきました。

内閣府が2015年に実施した上記の若年ひきこもりの数は推定54.1万人でした。
ちなみに2010年の調査は推定69.6万人だったため、5年間で大きくひきこもりが減少したとの発表がなされました。

一見すると改善されたように見えます。
しかし実際には調査対象者が39歳までだったため、ただ単にその5年間で40歳以上に加齢した人が対象から外れたためです。

さらにはこのひきこもりには専業主婦(夫)または家事手伝いを含めていないため、男性が約8割を占めるという結果になりました。

そして2019年になって初めて40歳以上の統計が取られた結果、推定61.3万人との結果が公表されました。
15~39歳と合わせて100万人を超えるひきこもりが存在するという実態が明らかになりました。

また2019年の調査からは専業主婦(夫)または家事手伝いを含めた数字となりましたが、それでも男性の割合が8割という結果に変わりはありませんでした。
これは単に肩書の違いが理由ではなく、男女の生活スタイルや脳の構造などが大きく関係していると考えられます。

元々この40歳以上のひきこもりというのは「就職氷河期世代」に当たります。
つまりはバブル崩壊により企業が採用を控えていた時期に就職活動を行っていた学生で、非正規雇用にならざるを得ない人が大量に発生した世代になります。

就職活動に失敗したという負い目からひきこもりになった人も多かったのではないかと推測されます。
若年であればまだやり直しはできますが、高齢になるにつれ社会復帰は難しくなります。

中高年の子が50歳になった時には高齢の親が80歳を迎える「8050問題」が社会問題として大きく取り上げられるようになりました。

 

どうしてひきこもりになってしまうのか?

内閣府の調査によるとひきこもりになったきっかけは、多かった順に「退職したこと」、「人間関係がうまくいかなかったこと」、「病気」、「職場になじめなかったこと」でした。

ただ上記の要因は誰しも経験したことがあると思います。
私も職場になじめなかったり、人間関係がうまくいかなかったことを悩んでいた時期もありました。

それでも大多数の人はそういった困難を乗り越えて生きています。
だから壁を乗り越えられなかった彼らに対して「甘い」とか「だらしない」という印象を少なからず抱いてしまいます。

公の場ではそういった意見は少ないですが、匿名の掲示板やSNS等では悪口としてひきこもりはよく使用されています。

しかし本当にただ怠けているだけなんでしょうか。
実際には働きたくないからという理由でひきこもっている人は少数で、働きたいけど社会のレールから外れてしまった自分を立て直せないまま殻に閉じこもってしまっている人が多いのです。

そして注目すべきは専業主婦(夫)または家事手伝いを含めてもなお男性のひきこもりの割合が約8割という点です。

この点は男性の自殺者の数が女性の約2.5倍というのと無関係とはいえないでしょう。
どれほど男女平等といわれても、やはり男性に重くのしかかるのは経済力です。

無職の女性はある程度許される傾向にありますが、男性の無職は許されません。
そうした社会の圧力がひきこもりを加速させているのではないでしょうか。

また女性は悩みを抱えると友達同士で相談しあってストレスの発散を行いますが、男性は悩みを抱えても誰にも相談しない人が多いのです。

ひきこもりになるきっかけは多種多様で一括りにはできませんが、男性が多いというのは脳の構造や社会からのプレッシャーによるところが大きいのかもしれません。

 

ひきこもりがなぜ犯罪者予備軍と呼ばれるのか

ひきこもりに対する世間のイメージは非常に悪いです。

メディアによっては「無敵の人」などと形容されます。
通常版材を犯すことによって社会的地位が失墜し、妻や子がいれば路頭に迷わすことになります。
しかしひきこもりは既に財産も職もないので、たとえ犯罪を起こそうとも失いものが何もないという意味です。

そしてひきこもりの人が事件を起こす度に、法律による抑止がきかない彼らを危険視する声が挙がってきました。
小さい子供を持つ親たちは、近所にひきこもりがいるだけで恐ろしいと感じる人もいるのではないでしょうか。

こうしたイメージはどこから生まれたのかは定かではありませんが、事件を起こした犯人がひきこもりであった場合は過剰に報道されることが、イメージの悪化を加速させているのは紛れもない事実です。

 

実際にひきこもりの犯罪者は多いの?

日本は犯罪が少ない国とはいっても、毎日何らかの事件が起こっています。

凶悪な事件があっても、しばらくするとまた別の事件があるので瞬く間に人々の記憶から消えていってしまいます。

例えば昨年はどんな事件があったか覚えている人はいますか?
これを書いている私も数件しか記憶に残っていませんでした。

でも実際は毎日何らかの事件が起こっています。

つまり何がいいたいかというと、犯罪者の中にひきこもりがいる確率なんてほんのわずかです。
逮捕された後に犯人の人柄や生い立ちなどが明らかになり、その中でひきこもりがちであった場合はそれが大きく報道されるため実際より多いように感じられるだけです。

よくひきこもりの報道をされる時に一緒に話題になるのは、アニメやゲームを嗜んでいるという特徴です。

そもそもアニメやゲームと一度も関わりのない成人男性の方が少ないんじゃないでしょうか。
ひきこもりはオタクという偏向報道にも疑問を抱かずにはいられません。

基本的に人と関わることを嫌がる傾向にあるひきこもりが、知らない人と揉め事を起こしたいと思うわけがありません。

勝手な想像による結びつけが、当事者たちを追い込んでいるのです。

 

ひきこもりが増えることの本当の問題点

ひきこもりが犯罪者になるという前提での報道ばかり問題視されますが、本当に問題なのは親世代がいなくなった後の生活です。

30歳の時に子供を産んでいれば、子供が50歳の時に親は80歳になります。
いわゆる「8050問題」ですね。

中高年ひきこもりは自身での収入がないため親世代の年金に頼って生活しています。
裕福な家庭なら親の死後も遺産を残しているでしょうが、大抵の家族は子供のために貯金を取り崩して生活しています。

親が亡くなったあとに子供は生活できるだろうか、そういった心配事から子供のひきこもる行為に対して苦言をいってしまうこともあるでしょう。

しかし子供もこのままではいけないと思っているため、親子での言い合いが始まってしまうことも多いです。
お悩み相談でよく問い合わせがあるケースですね。

実際に統計でも家庭内暴力がひきこもりの約1割に見られるとのことでした。
働かせたい親と働きに出たいと思いつつ何もできない子の葛藤が、親子喧嘩を引き起こしてしまいます。

将来的に自身で生活ができず生活保護に頼らなければいけない人が数十万人規模で増加することになると、国の財政に大きな負担がかかります。
それは生活保護費用を支払えなくなることにもなるため、国家で取り組まないといけない問題となります。

親としてできることといえば、直接自分たちでなんとかしようとせず第三者を挟むことで暴力を防ぐことです。
そしていきなり長期での就労を考えるよりまずは日雇いからでも少しずつ社会復帰をするよう手助けしていくのがいいと思います。

批判はあるでしょうが、長期間何を言っても改善がみられない場合は就労支援のスクール等に入れてプロに任せてしまった方がいいと思います。
本人は変わりたいと思っていても、多少強引でなければ甘えてしまう人が多いですから。

 

まとめ

中高年のひきこもりについては様々なメディアで取り上げられていますが、環境や本人の意思もあるため万能な解決方法はありません。

ただひきこもりが長期化している場合であれば様子をみることはやめ、早期解決に向けて専門機関に相談するところから始めるのがいいと思います。

ひきこもりに対する世間のイメージは偏向報道による影響で、非常に悪い状態です。
当事者を追い詰めた結果としてさらに社会に出ることに対して恐怖を感じることがないように、家にひきこもる生活を否定するのではなく認めるところから始めてみるのが第一歩ではないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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